新潟大学理学部物理学科山田研究室
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光触媒とは?
     
   

光 触媒とは「自身は反応の前後で変化せず、光を吸収することで反応を促進するもの」です。近年、環境問題や水素燃料と関連して、光触媒が注目されています。 光触媒では、光によって励起された電子とホールが持つ酸化還元力を利用して周囲の物質、た とえば水を分解することも可能です。

下の図は、光触媒の働きを模式的に示しています。表面での酸化還元反応により、種々の活性酸素が生成します。それらが反応中間体として作用し、表面に吸着した種々の分子を酸化、還元すると考えられています。

現在、光触媒として最も利用されているのはTiO2です。たくさんの抗菌グッズにで使われています。しかしTiO2紫外光でしか動作しません。それは、TiO2のバンドギャップが大きいためとされています。ところが、太陽光での紫外線の エネルギーは約3%しかありません。そのため効率は決して良くは有りません。一方、可視光領域のエネルギーは約43%もあります。

   
    可視光反応型光触媒      
   

もし可視光で反応する光触媒を発見、開発できれば、無限の太陽エネルギーを積極的に利用することができます。我々は可視光反応型光触媒の開発を目指して、いろいろな強相関電子系材料の光触媒特性の評価を行っています。

   
   
可視光反応型光触媒の評価
     
     
光触媒効果は、メチレンブルー溶液を分解することにより評価を行います。メチレンブルーは光触媒による酸化還元反応により、青色の色素が分解され無色のロイコメチレンブルーになります。そのため、メチレンブルーの濃度を通して触媒性能が評価できます。

写真では右が可視光を8時間後照射させた時の反応です。