新潟大学理学部物理学科山田研究室
〒950-218 新潟市五十嵐2の町8050 TEL/FAX 025-262-7292
   
   
     
    超伝導体の歴史は、1904年 カマリン・オネスによる水銀の超伝導転移の発見から始まります。 超伝導体は金属系、銅酸化物系C60系 に分類され、当研究室では、銅酸化物系超伝導体の研究を行っています。 下図は超伝導転移温度の歴史です。1986年の銅酸化物系超伝導体の発見により、転移温度が飛躍的に伸びました。現在では、水銀系銅酸化物の135Kが常 圧における最高の転移温度であり、同物質に圧力を加えることにより150K付近まで転移温度を上げることに成功しています。 また、「圧力効果」は昨今の物性研究において、非常に興味深いテーマでもあり、当研究室では最大6GPaまで加圧可能な装置を用いて、低温高圧における物性の測定を行っています。
     
   
   
         
   
特徴
応用例
完全導電性 電圧降下無しに直流電流が流れる。(電気抵抗ゼロ) 強力電磁石電力輸送
完全反磁性
(マイスナー効果)
ある一定の磁場以下では(※1)超伝導体内部の磁力線を排除し、内部磁場をゼロにする。 磁気シールド
磁束の量子化 超伝導体を貫く磁束は(※1)、磁束の最小単位である。
量子磁束計
ジョセフソン効果 超伝導体間に絶縁体を挟むと、電圧降下無しにトンネル電流が流れる。 超伝導エレクトロニクス
磁束のピン止め
ひずみや不純物などの欠陥を多く含む、非理想的な第二種超伝導体を貫く磁束は、これらの欠陥に引っかかり 止められて動けない。
磁気ベアリング電磁石


     
    ※1:超伝導体には、ある磁場以上加えると超伝導状態が破れる物質(第一種超伝導体)と、 それ以上になると、物質内部に磁束を通した状態(Vortex状態)と超伝導状態が共存する物質(第二種超伝導体)がある。      
   

     
    当研究室では銅酸化物系超伝導体の研究を行っています。銅酸化物系超伝導体の結晶構造の特徴は、 CuO2Planeとよばれている、銅原子と酸素原子から成る面と その間の電荷供給層の存在です。 この面は長い間超伝導を担う部分として考えられてきました。      
   
   
   

私たちは、これらの物質を様々な方法で作製しています。 X線回折のデータをリートベルト解析することで、 右図のように、正確な格子定数と原子ポジションの算出を行っています